ANA国際線航空券の燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)とは?過去の推移や、サーチャージを安くする裏技まで詳しく紹介!
■目次
この記事では、ANAの燃油サーチャージの情報を整理します。サーチャージとは?から始まり、推移や裏技を利用したサーチャージの返金方法をまとめます!
ANA国際線の航空券を購入する際には、運賃のほかに空港使用料などの諸税が必要になりますが、諸税の中の項目に「燃油サーチャージ」と呼ばれるものがあるのはご存じでしょうか。原油の価格に応じて、運賃とは別に徴収されるもので、
- 原油が安い時は飛行機に安く乗れる
- 原油が高い時は飛行機に乗ると高くなる
という制度が導入されているんです。

ここでは、ANAの燃油サーチャージの推移と、ちょっとした裏技で燃油サーチャージが下落した際に発券済の航空券の燃油サーチャージを取り戻す方法も紹介しておきます。
JALの燃油サーチャージ情報はこちら。
燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)とは
各航空会社とも国際線航空券を購入する際には、運賃+空港使用料等諸税が必要になりますが、空港使用料等諸税の中には「燃油特別付加運賃」別名「燃油サーチャージ」もしくは単に「サーチャージ」と呼ばれるものが加算されます。
燃油サーチャージとは何かというと、ANAのサイトには、
ANAグループ航空会社(ANA・エアージャパン)では、「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」および「航空保険特別料金」を設定し、航空燃油価格および航空保険料の高騰や、航空保安強化に関わる費用増の一部をお客様にご負担いただいております。
なお、以下の燃油特別付加運賃・航空保険特別料金は、出発地が日本または目的地が日本の旅程のANA便(他社運航のコードシェア便も対象)に適用される運賃・料金です。
と書かれています。
自動車のガソリンを想像するとわかりやすいのですが、ガソリンの値段も変化しますよね。それと同じように飛行機に利用する燃油代金も変化しています。ガソリンが安い時期に車に乗ると、100キロ走行するにしても、ガソリンが高いときに比べるとかなりお得です。飛行機でも同様に、燃油が安いときには乗客の負担が低くなり飛行機に安く乗れるように、燃油が高いときには飛行機の費用が高くなる。それを運賃とは別に、燃油サーチャージという形式で区分しています。

こちらはANAの東京=ホノルルの運賃の詳細です。総額は102,790円。そのうち運賃は84,000円、諸税が18,790円となっています。この18,790円のうちわけをさらに細かくみると、燃油特別付加運賃12,000円というものがあります。これがサーチャージですね。けっこうな金額が加算されているんですよね。
燃油サーチャージは、
- 原油価格により変動する(つまり時期により変動)
- 飛行距離により変動する(長距離便ほど高くなる)
というものだと思っておけばいいでしょう。

スポンサーリンク
ANA燃油サーチャージ推移
サーチャージは2か月ごとに見直しがあります。
原則として本運賃額を2ヶ月間固定とします。設定された2ヶ月間は航空燃料価格の動向により運賃額を変更することは致しません。
→2か月ごとに見直しをするが、その間は固定。
本運賃の改定指標となる航空燃料価格については、改定時点における直近2ケ月のシンガポールケロシン市場価格の平均を用いることとします。
→過去2か月間の燃油の値段の平均値で決める。
となっており、ANAでは下記のように2か月ごとの設定になっています。
発券日 | 適用額発表時期 | 平均値算出対象期間 |
---|---|---|
4月~5月 | 2月中旬~下旬頃 | 12月~1月の2ヶ月平均値 |
6月~7月 | 4月中旬~下旬頃 | 2月~3月の2ヶ月平均値 |
8月~9月 | 6月中旬~下旬頃 | 4月~5月の2ヶ月平均値 |
10月~11月 | 8月中旬~下旬頃 | 6月~7月の2ヶ月平均値 |
12月~1月 | 10月中旬~下旬頃 | 8月~9月の2ヶ月平均値 |
2月~3月 | 12月中旬~下旬頃 | 10月~11月の2ヶ月平均値 |
さて、燃油サーチャージは燃油の基準価格に応じて下記のように決まっています。6つの地域ごとに区分されており、それぞれが基準価格により10ランクのゾーンで燃油サーチャージが決まります。
日本=韓国・ロシア(ウラジオストク) | 日本=東アジア(韓国を除く) | 日本=ベトナム・グアム・フィリピン | |
---|---|---|---|
ゾーンなし(基準燃油代金6,000円未満) | 適用外(0円) | 適用外(0円) | 適用外(0円) |
ゾーンA(6,000~6,999) | 200 | 500 | 1,000 |
ゾーンB(7,000~7,999) | 300 | 1,500 | 2,000 |
ゾーンC(8,000~8,999) | 500 | 2,500 | 3,000 |
ゾーンD(9,000~9,999) | 1,000 | 3,500 | 4,000 |
ゾーンE(10,000~10,999) | 1,500 | 4,500 | 5,000 |
ゾーンF(11,000~11,999) | 2,000 | 5,500 | 6,500 |
ゾーンG(12,000~12,999) | 2,500 | 7,000 | 8,000 |
ゾーンH(13,000~13,999) | 3,000 | 8,500 | 9,500 |
ゾーンI(14,000~14,990) | 3,500 | 10,000 | 11,000 |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 日本=ハワイ・インド・インドネシア | 日本=北米(ハワイ除く)・欧州・中東・オセアニア | |
---|---|---|---|
ゾーンなし(基準燃油代金6,000円未満) | 適用外(0円) | 適用外(0円) | 適用外(0円) |
ゾーンA(6,000~6,999) | 1,500 | 2,000 | 3,500 |
ゾーンB(7,000~7,999) | 3,000 | 4,000 | 7,000 |
ゾーンC(8,000~8,999) | 4,500 | 6,000 | 10,500 |
ゾーンD(9,000~9,999) | 6,500 | 8,500 | 14,000 |
ゾーンE(10,000~10,999) | 8,500 | 11,000 | 17,500 |
ゾーンF(11,000~11,999) | 10,500 | 13,500 | 21,000 |
ゾーンG(12,000~12,999) | 13,000 | 16,000 | 25,000 |
ゾーンH(13,000~13,999) | 15,500 | 18,500 | 29,000 |
ゾーンI(14,000~14,990) | 18,000 | 21,000 | 33,000 |
原油価格が上がると、当然のように燃油サーチャージもあがります。燃油サーチャージは最安値の0円から、最高で33,000円。最高価格の場合には、往復で66,000円もの燃油サーチャージが運賃に加算されることになるんですよ・・・高い・・・。
さて、過去(2018年以降)のANAの燃油サーチャージの推移はどうなっているのかというと、
期間 | 燃油サーチャージのzone |
---|---|
2018年1月 | ゾーンB |
2018年2月~2018年7月 | ゾーンC |
2018年8月~2019年1月 | ゾーンD |
2019年2月~2019年3月 | ゾーンE |
2019年4月~2019年5月 | ゾーンB |
2019年6月~2019年7月 | ゾーンC |
2019年8月~2019年9月 | ゾーンD |
2019年10月~2020年5月 | ゾーンC |
2020年6月~2020年7月 | ゾーンなし(適用外) |
2020年8月~2020年9月 | ゾーンなし(適用外) |
という推移になっています。

上記は原油価格のチャートですが、2020年になり一気に原油価格が暴落していますよね。この影響で、2020/6~7は燃油サーチャージが一気に適用外のレベルになっているということです。逆に2018年を見ると、原油価格は徐々に上がっていますよね。なので、2018年の燃油サーチャージのゾーンは徐々にアップしているわけです。燃油サーチャージは、当たり前ですが原油価格と同じように変動します。
【最新確定情報】2020/10/1~11/30発券のANA燃油サーチャージ
では、最新の2020/8/1~9/30のANA燃油サーチャージが確定したので、紹介です。1人1区間あたりの価格になります。
路線 | 2020/6/1~11/30 | 2020/4/1~5/31 |
---|---|---|
日本=欧州・北米(ハワイ除く)・中東・オセアニア | 適用なし | 10,500 |
日本=ハワイ・インド・インドネシア | 適用なし | 6,000 |
日本=タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 適用なし | 4,500 |
日本=ベトナム・グアム・フィリピン | 適用なし | 3,000 |
日本=東アジア(韓国を除く) | 適用なし | 2,500 |
日本=韓国・ロシア(ウラジオストク) | 適用なし | 500 |
なんと、6・7月~8・9月に引き続き、10・11月も全区間とも0円、サーチャージ無料が決定しています!これは激熱!!11月末まで無料で発券可能なので、2021年の秋までの特典航空券も燃油サーチャージが無料というのはかなり魅力的ですね!

【次回予測】2020/12/1~2021/1/31発券のANA燃油サーチャージ予想
こればかりは予想ですが、現状の原油価格の推移をみていると、次回も燃油サーチャージは無料の可能性が高いと思われます!
スポンサーリンク
ANAサーチャージを無料・安くする裏技紹介!
さて、ANAのサーチャージは2020/6以降に発券した国際線航空券に関しては、無料になります。5/31までに発券済の航空券なら、北米路線の場合には往復で21,000円ものサーチャージを徴収されているので、家族4人なら84,000円も徴収されているんですよね。
なので、5/31までに発券するよりも、6/1以降に発券する方が基本的にはお得です(ただし、特典航空券はこの理解で正しいのですが、有償航空券はサーチャージの変動とともに運賃が変動するので、実は総額の支払いは変わらないことが大半なのは要注意です)。サーチャージ無料ですもんね。
さて、ここでは5/31までに発券済の航空券のサーチャージを無料にする裏技も紹介しておきます。特にこの方法が利用できるのは、ANAマイルを利用した特典航空券をお持ちの方です。しかも、地方空港から乗り継ぎのあるような航空券をお持ちの方ほど裏技を利用しやすいです。

上記は、自分が保有している家族3名分のホノルル行き特典航空券です。自分を置いて、家族は2021/3の春休みにホノルルに行くようです・・・。
さて、この航空券は2020/3に発券済なので、ホノルルまでは往復で一人あたり12,000円、3名で36,000円のサーチャージが含まれています。54,990円のうち36,000円がサーチャージということですね。
さて、この航空券を「予約変更」のボタンを押して、便の変更をした場合には、サーチャージはどうなるかご存じですか?予約変更した際には、サーチャージも最新の状況のサーチャージに変更になるんです。
つまり、
- サーチャージが値上がりしている:変更すると追加料金が発生
- サーチャージが値下がりしている:変更すると差額返金が発生
ということが起こるんですよね。知っていましたか?
なので、5/31までに発券済の航空券でも、6/1以降に日程変更をすると、その時点でのサーチャージで再計算となるので、なんと自分の場合なら36,000円も返金されるんですよ!これは強烈すぎる。
さて、重要になるのは、お持ちの航空券が変更手数料いくらなのかという点になってきます。変更手数料ですが、
- ANA有償航空券の場合:運賃種別により異なるが数万円
- ANA特典航空券の場合:無料
となっているんですよね。なんとANA特典航空券は変更手数料無料なんです。つまり無料で日程だけ変更すれば、36,000円の返金がもらえるというわけですよ。これはマジでデカい。
さて、自分の特典航空券をもう一度確認すると、実は変更がかなりしやすいんですよね。

大阪在住なので、前後に伊丹=羽田と羽田=関空がありますよね?伊丹=羽田とか1時間に1本は飛んでいるので、前後の便に変更するってことが簡単にできるんですよね。これを1時間早い便に変更するだけで36,000円が返金されるわけですよ!これはやらない理由がない笑。1便でもわずかな変更をするとサーチャージは再計算です。
なので、地方空港からの国内線乗り継ぎのある方は有利なんですよね。大阪・福岡・札幌なんかから乗り継ぎ予定のある人は非常に有利です。1便でも変更すれば燃油サーチャージは再計算になります!もちろん、空席状況次第では、一度変更してサーチャージの返金をもらってから、再度変更して元に戻すことも全然可能です。

東京の人は、このサーチャージ返金の裏技はちょっと使いにくいです。もちろん、国際線の便が1日くらい変更可能な人は、空席次第では返金を勝ち取ることも可能です。が、特典航空券なので、空席が少ないことが予想されます。一度変更してから返金後に、元に戻すことまで可能になるのは、不人気路線か、もしくは幸運がないと難しいかなと思います。ただ、空席状況をチェックする価値はあるので、調べるだけは調べてみましょう!
あっ、この技は逆にサーチャージが上がるタイミングで日程変更する際には、要注意ということも意味しますよ。追加料金が発生しますからね。まあ、それでも変更せざるを得ないこともあるでしょうが・・・。
ANAマイル・特典航空券の世界は非常に奥が深いですね。
みなさんもガンガンANAマイルを貯めて、特典航空券を発券しましょう!そして、この記事で整理した燃油サーチャージのちょっとした裏技を知っておくと、一層お得になります。是非、うまく活用してくださいね。
すけすけさん
来年2月に家族3人分のホヌ便を予約していましたが、一つ遅い便にしたことで36000円が払い戻しとなりました!いつも素晴らしい情報ありがとうございます!
福島康則さん
空席あってよかったですね!!36000円あればかなりおいしものがハワイで食べれますね笑。
初めまして、いつも楽しく拝見しております。
燃油サーチャージの件、ANAとスタアラ便含めた複数路線予約だったので、早速、昨日ANAに電話して、渡航先の国内線を1時間半ほど早めただけで、全行程分、43000円程返金されるということで、感謝感謝です!!
秋のフライトなので、旅行自体、行けるかどうかは微妙なんですが。。
いつも有益な情報ありがとうございます!!
あみっくさん
よかったです!今回もしはいけないとしても、この技そのものは今後も利用できる技なので、ぜひご利用ください!!!
すけすけさん、サーチャージ無料に無事に変更できましたでしょうか?
私は今日7月の便を含むチケットを変更しようとANAデスクに電話してみたら、
サーチャージの払い戻しはないと言われまして。最後に理由を聞くと、コロナによる特別対応で、今はHPの記載と違い、手数料や税額等の変更は一切なくチケットの変更を完了してしまいました、とのことで。
自信のなさそうなデスクさんで、、せっかく電話したのにと不信感が残ってしまう出来事でした。
みゅーちゃんさん
たしかに、コロナ特別対応での変更の場合なんかはサーチャージは再計算にはならないですね・・・。
非常に細かな話になりますが、自主的な変更はサーチャージの再計算の対象になるのですが、ANA側の都合(便の欠航や、今回のコロナのようなケース)では、再計算にならないという状況になっているのだと思われます。
そうなんですか!さすがすけすけさんです。ANAデスクさんよりずっと納得できました。
ありがとうございます。
ブログ毎日楽しみにしています。これからも愛読させていただきます。
それにしても、普段なら戻ってくる数万円がコロナ対応で逆に戻ってこないってひどいですよね・・
みゅーちゃんさん
自分も以前有償の航空券ですが、乗り継ぎ便が事前に欠航になり、ANAから変更の電話が来て航空券を変更することになったのですが、その場合もサーチャージが変更にならなかったんですよね・・・。なんか損した気分でした・・。
もし、お持ちの航空券が特典航空券でしたら、空席があるようなら一度キャンセルして再度取り直すというのも1つの方法かなと思います!
来年の予約分(全部ANA便でなくスタアラ便だったのですが)1区間だけ変更したら、1/3くらい差額で戻ってくるそうです!万単位なので嬉しい!
このブログを読んでたおかげです!ありがとうございます^^
るんさん
よかったです!
ぜひ、旅行の際においしいものでも食べる資金にしてください笑。
発券済み航空券での
サーチャージ返金ワザ、おもしろかったです!
ちなみにJALだとどうなるんですかね?
なわさん
JALバージョンを明日UPしますので、少々お待ちください笑!
拝読しました!
参考になりました!!
有力な情報ありがとうございます!ちなみにJALは有料のままですか?
こりんさんJALも同様に無料になります!明日、JALの情報もUPしますので、お時間ありましたらチェックしてみてください!